数字は嘘をつかないが、優しくもない
「賃上げ率、過去最高!」 「株価、史上最高値!」
ニュースで威勢のいい言葉が踊るたびに、「どこの世界の話?」「自分の生活は全然楽にならないんだけど…」と白けた気持ちになりませんか? 三井住友銀行(SMBC)が発表した最新レポート「2025年の回顧と2026年の展望」を読み込むと、私たちが抱くこの**「違和感の正体」**がデータではっきりと示されていました。
結論から言うと、企業は儲かっていますが、家計は「インフレ」と「実質賃金マイナス」で防戦一方です。 さらに2026年は、お金の問題以上に深刻な「サービスが受けられなくなる(供給制約)」時代がやってきます。
今回は、このレポートを元に、綺麗事抜きの「2026年の過酷な現実」と、私たちがどう生活を守ればいいのかを解説します。
1. なぜ「景気回復」を実感できないのか?
レポートには、私たちの苦しい懐事情を表す残酷な現実がさらっと書かれています。
- 賃上げはしたけれど… 確かに2025年の春闘での賃上げ率は平均5.39%と、1991年以来の高水準を記録しました。
- 物価がそれ以上に高い しかし、給料が増えた分以上に物の値段が上がり、名目賃金の伸びを物価上昇が上回っています。
つまり、「実質賃金」はマイナスのままです。 額面の給料は増えても、買える物の量は減っている。これが「生活が苦しい」と感じる最大の原因です。 レポートでも、多くの家計では賃上げの恩恵を実感しづらく、消費者は「節約志向」を強めていると分析されています。 2026年も、この「我慢の生活」は簡単には解消されそうにありません。
2. 2026年、お金があっても「買えない」時代へ
さらに怖いのが、これからの日本経済の足かせとなる**「供給力の限界(人手不足)」**です。 これまでは「お金を出せばサービスを受けられる」のが当たり前でしたが、2026年はそれが通用しなくなります。 レポートでは、これまでの「需要不足」から「供給力不足」へ経済のフェーズがシフトしつつあると警告しています。
① 「届かない・直せない」が日常に
物流業界や建設業界では、人手不足が限界を超えつつあります。
- 物流: トラックドライバーの時間外労働規制(2024年問題)以降、輸送能力不足が慢性化しており、運賃の上昇が続いています。
- 建設: 家やマンションを建てたくても職人がいません。これから始まる国の「国土強靭化計画(防災インフラ整備)」と職人の奪い合いになり、施工能力不足が深刻化する見込みです。
② 外食は「高嶺の花」になる
飲食業界でも人手不足は深刻で、中小事業者の倒産件数は過去最多となりました。 生き残るのは、政府の支援などを活用して「配膳ロボット」などの省人化投資ができる企業だけです。 人件費高騰に耐えられないお店は淘汰され、外食の価格はさらに上がっていく可能性があります。
3. 希望は「AI」と「投資」にしかない
暗い話ばかりですが、レポートには「ここにお金が集まる」という希望の分野も書かれています。 私たちが生き残るヒントはここにあります。
① AIが「同僚」になる(AIエージェント)
人手不足を埋めるため、企業は「AIエージェント」の導入を急ピッチで進めます。これまでは人間がやっていた事務作業や問い合わせ対応を、AIが自律的にこなすようになります。 私たちがやるべきは、「AIに仕事を奪われる」と恐れることではなく、「AIを使いこなして自分の残業を減らす」ことです。
② 国策分野(半導体・防衛)は伸びる
高市新政権の下、政府は「AI・半導体」「造船」「防衛産業」といった17の戦略分野に集中的に投資を行います。 不景気の中でも、国のお金が入る業界は成長が期待できます。 自分の身を置く業界や、投資先を考える際、この「国策」の動きを無視するのは損です。
まとめ:2026年は「防御力」を最大化せよ
SMBCのレポートが示唆する2026年は、決してバラ色の未来ではありません。
- 物価高は続く(実質賃金は上がりにくい)。
- 人手不足でサービスは劣化し、価格は上がる。
この環境下での「生存戦略」はシンプルです。
- 節約と防衛: 固定費を見直し、企業のPB(プライベートブランド)商品などを活用して生活コストを下げる。
- AI武装: 職場での評価を上げるために、誰よりも早くAIツールを使いこなす。
- トレンドに乗る: 副業や投資をするなら、伸びている「半導体・AI」関連を狙う。
「景気がいい」というニュースに騙されず、自分の財布と生活を死守する一年(2026年)にしていきましょう。











